V.S.Monkey 北陸1300kmの旅!
あとじさん主催、「お猿さんとお散歩」参加を目標にして



2:トラブル続発!

いよいよ三国峠を越える。この山を越えると
日本海側に出る。でも走り慣れた道なので、カーブや登りのきつさなどはわかっている。問題はガソリンが持つかどうかだけだが、非常に燃費がいいので、たいして気にしていない。

V.S.Monkeyは絶好調。登り坂を速全開で登る。トラブルはもう出てしまっているようで、新たなトラブルの徴候がない。

と思いきや・・・。突然
ヘッドライトが暗くなった。実はレッドバロンで発電電圧が不足しているようだと言われていたのだが、バッテリーなしでもヘッドライトが充分な明るさだったのでいけるはずだと勝手に判断したのだ。しかしやはりレッドバロンのお兄さんの言うとおり、充電不足のままバッテリーが上がってしまったのかもしれない。

ウインカーはほとんど機能しなくなった。修理する前より光量が少ないストップランプスモールと明るさの差が無くなってしまった。エンジンをある程度高い回転数に上げておかないとヘッドライトも暗くなってしまう。

おまけに霧雨が降ってきた。体が
じっとり濡れて急に体温が下がっていくのがわかる。とりあえずゴアテックスライディングウエアを着る。時刻は午後10時30分。困ったことは重なるもので、ガソリンの残量も心配になってきた。三国トンネル付近も霧が濃く、寒いし安全を考えても何とか対策をとらなくてなならないのだけれど、ガススタンドも無い。

とりあえず
ラーメンを食べる。キムチラーメンの辛さが体の暖かさを取り戻してくれた。ラーメン屋のおばちゃんが私のバイク小さくてかわいいと、さかんに話しかけてきた。

午後
11時30分

だましだまし走って塩沢町まできた。ところが信号で止まろうとしたときに車速がこまめに上がったり下がったりすることに気が付いた。おかしい。降りて押してみる。リヤブレーキあたりでキッキッと何かがこする音がする。

しかし
ブレーキに異常はない。制動力も充分にあり、部品のふらつきもない。ブレーキに砂粒でも噛んだのかと思い、少し走ってみる。やはり変だ。車速が上がったり下がったりする。もう一度止まって見てみる。そして強烈な状況を発見する。

なんとスプロケットボルトゆるんでいたのだ。3本のうちタップを立てたM10ボルトがほとんど完全に抜け、スイングアームに干渉していた。アルミスイングアーム深さ1mmほど削れ、ボルトとの干渉がかなりひどかったことがわかる。残りの2本のボルトも半分ほどゆるみスプロケットガタガタM10ネジ山は完全にえぐれていた。もうネジとしては働かない。M8の方もかなり怪しい状況だ。

とりあえず生きていそうな
2本のM8を締めようと思うが、困ったことに六角レンチを持っていなかった。そういえばブレーキキャリパーの取付も六角レンチが必要なのに、車載工具に六角レンチ入れておかなかったことに今になって気が付いた。おまけに、最後にプライヤーを入れたつもりだったのに、どうやら工場に
置き忘れてしまったらしい。あと60kmどうやって走ろうか

ネジロックが入っているために
手では締められない。しかし工具もない。まず役立たずのM10を抜く。これも食い込んでいたのでなかなかとれない。だんだんボーゼンとしてきた。あたりにほとんど明かりもない道路の傍らで一晩過ごすのか。

とにかく
マイナスドライバーを突っ込んでわずかずつ締める。2本のM810分くらいかかって締める。とりあえずスプロケットが暴れない程度に締めることができた。よし、このまま走ろう。本来3本あるはずのボルト2本しかなく、おまけにきちんとしまっていないので、トルクの変動は禁物だ。できるだけチェーンに大きなトルク変動を与えないようにしなければならない。今までみたいに全開ではとても走れない

そろそろと走り出し、シフトアップの際には発進の時と同じくらいに慎重にクラッチミートする。エンブレは掛けない。駆動方向にしかトルクを掛けないようにする。信号も無くほとんど交通の無い17号線を時速30kmほどで走る。エンジンの回転をあまり上げられないのでヘッドライトが暗い。ウインカーは全く役にたたない。曲がるときは車がいなくなるまで歩道で待った。5kmほど走るたびに止まって、できる範囲で締めなおした。

12時30分

セブンイレブンがあった。飛び込んで六角レンチを探す。あるわけないよなあ。そこで店員さんに聞いてみる。

「ありませんか。」
「ないですね。」
「じゃ、とりあえず
プライヤー。」
「あ、待ってて下さい。」

店員につれられて出てきた
小林店長さん。プライヤーを持ってきてくれた。それを借りてできるだけ締める。店長さんがV.S.Monkeyに非常に興味を示す。

「おもしろいバイクですね。もし走れなかったら深夜
時まで営業していますから戻ってきて下さい。家に帰ればもう少し工具がありますから。」
「ありがとうございます。」
優しい店長さんに感謝。

でもとっくに長岡には着いている予定だったのに。たどり着くのだろうか・・・。

その後も
5kmごとに締め直す。バッテリーも上がったまま走っているとつぶれてしまうそうなので、きっともうダメだろう。さっき買ったばかりなのに。¥7.800もしたのに・・。

ヘッドライトウインカーも役にたたない。とにかく辛抱。少しずつ走る。少しずつ。

午前
2時30分
V.S.Monkeyなつかしい道路を走っている。この道をこんなにゆっくり走るのは高校時代に自転車で走ったとき以来だろう。あらかじめ電話で深夜到着することを伝えておいたので、実家の玄関は明かりがついていた。ほんとにほっとした。

非常に緊張して走っていたので軽く食事をしたあとも
なかなか眠れなかった。




0: もくじ
1: 行くぞ!「お猿さんとお散歩」
2: トラブル続発!
3: でもめげないぞ
4: ついに「お散歩」
5: 雨にも負けず
6: 終着点
7: 軌跡



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