デュープレックス式
Duplex Steering

前輪後方左右に設置された回転軸に、それぞれ左右に首振り運動をするステアリングアームが取り付けられている．この２本のステアリングアームによって車軸・ハブ部が支持されている．
ステアリングアームに相当する部品が２本あることからデュープレックス式と命名されたようである．

このシステムは、前輪が首振り運動をする軸（上図中の黄色の一点鎖線）に具体的な部品は存在しない．従ってバーチャルステアリング（仮想軸操舵）であると言える．

最大のデメリットは、首振り動作によって前輪の首振り運動の仮想的な軸が移動することである．特に、首振り角度が大きくなると共に軸が後退する（前輪が後退する）ため、ブレーキ時に操舵すると、勝手にハンドルがさらに深く切れてしまう．

しかしロワーピボットが車輪の接地点に近いことと、アームが前後方向に伸びていることによりブレーキ時の変形は極めて少ない．

サスペンションはリーディングアーム式かあるいは摺動式が用いられる．
歴史的バイクに少数見られるが、一般的には知られていない方式である．